ふと自分には人生なんてなかったなと思いました。
普通の人生ってなんだろうかと考えてみると、
学校を卒業したら就職して、やがて結婚、子供が生まれて、
家でも建てて、子供が成人して、孫が生まれて、引退したら悠々自適。
というのが、平穏で幸せな人生だと思います。
こういう幸せな人生を確立するには、苦労もいるのですが、
それはそれで、人生のスパイスなんでしょう。
さて私はといえば、46歳にして、独身、無職、子供なし、家なんてとても。
もう大学生ぐらいの子供がいても、ちっともおかしくないのですが。
ああ、なんのために生きてきたのだろうか、という気分になります。
人間は生きているだけで、意味のある存在だとは思います。
けれども、それは宗教的な見方でしょう。
一般的な社会常識からすると、やはりまともな社会生活をしていないと、
意味のある人生とはいえません。
でも、そんなことを考えるのは、私が人間だからで、
動物だったら、そんなことは考えないでしょう。
動物は、ただ現在を生きているだけですから。
人間は、自分の死を知っているので、未来を意識します。
だから、意味のある人生を送りたいと、考えるのでしょう。
でも、私は東日本大震災の被災者が、悲惨な目にあったことを思うと、
人生は、不条理なのだと思うのです。
築き上げてきた幸せが、一瞬で崩壊してしまったのですから。
私の人生は精神病にかかったおかげで、
まったく順調でなかったのですが、それも不条理だと思います。
運命というものは、やはり働いているのですね。
必ずしも、自分の思うとおりに、人生なんて進みません。
自殺する人の気分が、私にはわかります。
ああ、とりとめがないですね、こんなこと。
むかし「人生、不可解」と遺書に書いて、
自殺した青年がいたと、聞いたことがあります。
46年生きてきて、やはり私も、人生は不可解だと思われるのです。